反抗期?
美の基準とは時代や国によって随分異なるものですが、ここMOKI村では体が小さいことが女性の美しさの第一条件なのです。
もちろん気立ての良さや料理の腕前等が重要なファクターではあるものの、若いうちはとかく見た目で判断しがちなのはどこの世界でも同じこと。
ロザリー・クルスは、かつて高校のプロムやMOKI村ミス・コンテストの女王に選ばれたこともある美女で、その可憐な容姿は結婚後一人娘をもうけた今も変わる事はありません。
彼女の娘フローラもいずれ母を凌ぐ程の美人になるであろうと言われているというのに、彼女は皆の期待を裏切るかもしれないという不安にさいなまれているのした。
顔は母にそっくりでも、大柄な父親ドルフの遺伝子も受け継いでいるのですから、村の平均身長2.8センチを越える可能性が無いとはいえません。
女の子は父親に似ると言うではありませんか?
昔、中国で行われていたてん足よろしく、思春期を迎えたフローラは暇さえあれば小さなトランクの中に入って、体が大きくならないようにじっとしているのです。
「このトランクに入れないようになったら、私の人生はおしまいだわ」
たまりかねたロザリーが、体のサイズより心の美しさの重要性を口が酸っぱくなるほど説いても、まったく耳を貸しません。
反抗期ぐらい俺にもあったさと娘の異変にどこ吹く風の夫を尻目に、万策尽きたロザリーはある決心をします。
それは、MOKI村の知恵袋と呼ばれる骨董屋の店主モズヤ・パインフィールドに、恥を忍んで相談することでした。
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コメント
体のサイズより心の美しさ。そうですよね~
でもがんばりまっす。(^_^)v
投稿: yun | 2005年10月14日 (金) 21時26分
yunさま
ありがとうございます!
貴方はとても優しい方なのね。
投稿: ロザリー | 2005年10月14日 (金) 21時33分
たまたま(済みません;)覗いてみたHPでしたが、この作品にこんあ物語りがあるとは、、、この先の物語が見たいです。楽しみにしてます。
投稿: marry | 2005年10月15日 (土) 22時18分
コメントありがとうございました!
そうおっしゃっていただけると、とても励みになります。
この話の続きは、「アンティークショップの出来事」や他の記事にも関連する話を載せておりますので、よろしかったらご覧くださいませ。
投稿: momouki | 2005年10月15日 (土) 22時49分