ＭＯＫＩ村の世界

泉にやってきたうさぎのデイルは、お守りの鏡を持っていなかったが故に、スカンクに変身したドン・クリスチャンセンが腰を抜かしている姿を一目見るなり激しい恋に落ちてしまいました。
ギリシャ神話とは異なり、神の愛を拒絶した報復として、ナーシサス家に生まれる美形の者は、初めて目にした相手に恋をするという呪いをかけられているのです。
呪いに対抗する手段として魔法使いサンドラの先祖が作ったお守りが、デイルがいつも持ち歩いているナルシストの鏡だったので、その護符を失った彼が真っ先に目にしたスカンクに一目ぼれしても何の不思議もありませんでした。
とはいえ、ドンにしてみればとんだ災難です。
スカンクの姿では仕事もままならないし、すこぶるつきの美少年に愛されても迷惑なだけではありませんか。
コアラ事件と同じく黒猫キキモラの悪戯に違いないと察した彼は、サンドラの所へ魔法を解いてもらおうと訪ねたところ、さらにやっかいな事実を聞かされます。
それは、ドン自身がキキモラに願ったはずの変身願望が、本当は何だったのかという事なのです。
グレイはライオンを望み間違えてコアラにされました。
失敗した魔法を解くには、元ネタが分からなければ手の打ちようがない事を知り、キキモラに会ったことさえ思い出せないドンは、記憶を呼び覚ます方法をモズヤ・パインフィールドに相談することにしました。