ＭＯＫＩ村の世界

親善大使夫人のセーラが、村外れにある雑貨店の店番を任されてから、早数ヶ月が過ぎようとしています。
初めの頃は、店のコンセプトに沿ってセンスの良いホーム・デコレーションやアクセサリーに力を入れていましたが、ヌーヴォー・パーティーで派手な夫婦喧嘩を披露して引きこもりになっている時に、好きな様に店を運営して構わないとオーナーのシー・プリーズから言われたセーラ夫人は、チワワである自分の経験を生かした犬族待望の商品を取り揃えるようになったのです。
そのおかげで、彼女が元気を取り戻した上に、犬族のお客さんが飛躍的に増えた事は言うまでもありません。
ここ数日は、新年を前に売り出されている犬用グッズ詰め合わせ福袋が評判を呼び、普段は閑散としたあやかしの森入り口周辺に、ＭＯＫＩ村在住の犬族のみならず観光客までもが押しかけて、大変な騒ぎになっています。
徹夜組のテリー・ウエストと親友のジャン・ドゥーヤは、ライス・ライター手書きのイラスト付きフードボウルと数量限定福袋を手に入れることが出来ました。
早速袋の中味を広げて見ていると、それに気づいた行列中のお客から羨望のため息が聞こえてくるのでした。