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2006年2月23日 (木)

冬の花屋

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hanayanoiroiro

室内装飾を趣味とする花屋のサンダー・ソニアは、冬になってからまたもや店の改装工事を行いました。
テラコッタ風のタイルを敷き詰めた床とパステルグリーンのストライプ柄にボーダーを配した壁紙でカントリースタイルを演出した店内では、冬花の代表格水仙や日持ちのするストック、そしてアレンジにかかせないクリスマスローズ等の切花が甘い香りを漂わせています。
また、彼が土地を無償提供している農業大学の研究所が毎年開発する新種のパンジーも、この店の呼び物として根強い人気を誇っているのです。
アストレイア島のスキー場オープンセレモニーに、去年の夏から思いを寄せていたオランジュ・サンハートを招待した事から2人の距離が急速に縮まり、私生活も順調なサンダーでした。

hanayatenohira

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すれ違う母と娘

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misintenohira

ファブリックの女神と呼ばれているMOKI村一のクチュリエ、シャーリー・サンハートが娘のためにドレスを縫っています。
一人娘オランジュは突拍子もない服装と言動で彼女を悩ませていたのですが、花屋のサンダー・ソニアと交際しだしてから、すっかりレディらしく振舞うようになりました。
資産家でお洒落なサンダーに釣り合うよう物乞いにしか見えない破れたジーンズやおどろおどろしい絵柄のTシャツを脱ぎ捨て、それまであんなに忌み嫌っていたシャーリーの作るエレガントなアウトフィットで着飾る毎日なのです。
母親としてはかねてからの望み通り変身してくれた娘に安堵する反面、男性に合わせて自分を押し殺している態度が面白くないという複雑な心境でもあります。
「ヒギンス教授じゃあるまいし、第一あなたは無教養な花売り娘じゃないわ」
「ママってば、サンダーの職業を知っているでしょ?彼は私を花売り妻にする気なのかもしれないわ」
「反対する気持ちはないけれど、ちっともあなたらしくない発想ね」
「ママも変よ。今まであんなに私の服装や態度に小言を言ってたじゃないの。好きな人の好みに合わせて愛されるように努力するのがそんなにいけないことなの?」
「それがあなたの真実の姿ならばね。」
オランジュは二の句が告げず、リボンで縁取られたキュートなバッグを掴むと表へ飛び出していきました。
幼い頃母の好みで着せられていた愛らしいフリルのドレスが、学校では物笑いの種になり大人からは似合わないという烙印を押された経験が、彼女をストリート系ファッションに走らせていたことをシャーリーは知りません。
サンダーのためではなく、交際をきっかけに素直に母親を喜ばせたかったオランジュの気持ちは、見当違いの方向に打ち返されてしまいました。

misiniroiro

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銀盤の妖精

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拒大症という心の病から開放されたフローラ・クルスは、今までの運動不足を解消すべく始めたフィギュアスケートで、その才能を開花しようとしています。
母親譲りの美貌に加え、父親の持つ並外れた筋力と運動神経を受け継いでいる彼女は、あっというまにMOKI村ジュニアの頂点に登りつめたのです。
村議会では満場一致で彼女をオリンピック強化選手として認定し、規定年齢に達する4年後に向け全力でサポートする体制を整える事になりました。
金メダリストのコーチとバレエ教師をロシアから迎え、一年中雪に閉ざされたアストレイア島に国際大会も開けるほどのリンクを建設する予定です。
また、このプランにはスキー場と共にアストレイア島の経済活性に繋がるというもくろみもあるので、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
金メダルを目指し3回連続のコンビネーションジャンプや4回転サルコーの練習に励むフローラの姿を見て、氷の島からも次に続く子供達が大勢登場することを願わずにはいられません。

skateiroiro

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