すれ違う母と娘
ファブリックの女神と呼ばれているMOKI村一のクチュリエ、シャーリー・サンハートが娘のためにドレスを縫っています。
一人娘オランジュは突拍子もない服装と言動で彼女を悩ませていたのですが、花屋のサンダー・ソニアと交際しだしてから、すっかりレディらしく振舞うようになりました。
資産家でお洒落なサンダーに釣り合うよう物乞いにしか見えない破れたジーンズやおどろおどろしい絵柄のTシャツを脱ぎ捨て、それまであんなに忌み嫌っていたシャーリーの作るエレガントなアウトフィットで着飾る毎日なのです。
母親としてはかねてからの望み通り変身してくれた娘に安堵する反面、男性に合わせて自分を押し殺している態度が面白くないという複雑な心境でもあります。
「ヒギンス教授じゃあるまいし、第一あなたは無教養な花売り娘じゃないわ」
「ママってば、サンダーの職業を知っているでしょ?彼は私を花売り妻にする気なのかもしれないわ」
「反対する気持ちはないけれど、ちっともあなたらしくない発想ね」
「ママも変よ。今まであんなに私の服装や態度に小言を言ってたじゃないの。好きな人の好みに合わせて愛されるように努力するのがそんなにいけないことなの?」
「それがあなたの真実の姿ならばね。」
オランジュは二の句が告げず、リボンで縁取られたキュートなバッグを掴むと表へ飛び出していきました。
幼い頃母の好みで着せられていた愛らしいフリルのドレスが、学校では物笑いの種になり大人からは似合わないという烙印を押された経験が、彼女をストリート系ファッションに走らせていたことをシャーリーは知りません。
サンダーのためではなく、交際をきっかけに素直に母親を喜ばせたかったオランジュの気持ちは、見当違いの方向に打ち返されてしまいました。
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コメント
ミシン、何十年も踏んでないような気がします(笑)
大昔、うちにあったミシンはこんな足踏みタイプでした。
逆回転するので、悪戦苦闘でした!
まち針ごと、ミシンをかけるのも得意でした(笑)
またまた、クマさんがミシンを踏むところを想像し…(*^m^*)
投稿: yun | 2006年2月25日 (土) 13時17分
子供の頃うちにもやはりありました~!
足で踏んで回すのに勇気が要りましたよね。
今から思うと形はお洒落ですけど、あれで雑巾を縫うのはもうイヤですっ。
投稿: momouki | 2006年2月25日 (土) 13時49分